OpenLayers 座談会

(2011年5月10日開催)

情報を重ねあわせて一枚の地図に

たぐちOpenLayersの機能では元の地図情報を重ね合わせたと思うんですけど、さっき見てると表示したら上のレイヤーで全部塗りつぶされてて下の情報が透けては見えない?

しおや透けては見えないです。透けさせるのは、そこは、すみません、OpenLayers自体が混ぜ合わせる機能を持っているのか、それともそこはその下で描画エンジンを用意する人は頑張ってねってなってるのかは、ちょっとわかりません。でもOpenLayersが持ってないと困りますよね、そういうのね。

たぐちさっきのコントローラーだけだとその透過とかはなかったでしたっけ?

しおやコントローラーも本当に切り替えてるだけですね。なんかサンプルあるのかな。あぁそうだ、話しながらでちょっと簡単に、後でOpenLayersのソースを見ることが出来るものがあるので。基本的にはですね、マップがあって、これをユーザーがコントロールします。で、この上にベースレイヤー、基本になるレイヤーっていうのを、これを一枚だけ。なんでこのベースレイヤーが必要かっていうと要するに拡大とか縮小するときとか、座標系をどうするのとかっていうときに、これに東経135度の北緯43度とかって指定するときに、基準になるレイヤーが一枚ないといけないので、これがとにかく一枚基準のベースレイヤーとして敷ける、と。で、その上にオーバーレイっていうレイヤーをまぁ一枚、二枚、お好みのまま何枚でも重ねていける。まぁ何枚でもって言っても何十枚とかその辺が限界らしいんですけれど、まぁ何十枚も重ねれば十分ですね。

しおやだからたとえばここにOpenStreetMapを持ってきて、ここにたとえばGPSで持ってきた、今日はA地点からB地点に来ましたというのを書いておいて、たとえばここにA地点にはコーヒー屋さんがありますよ、と、B地点には交番がありますよ、とか、っていうような情報を重ね合わせて一枚の地図が出来る、というような、そういう仕組みになっています。で、さっきこの辺にこうプラスっていうのが出て、まぁこういうコントロールをいろいろやったと思いますけれど、ここにコントロールはマップに対して貼り付けます。もうOpenLayersっていう名前の通り、レイヤーを重ねるタイプのライブラリですので。あと、レイヤーを重ねるのは、今言った通りなんですけど、ここでたとえばGUIのイベントプログラムを書いた人はだいたい想像がつくと思うんですけれど、地図上のどこどこの起点をクリックしたとか、どこからどこをドラッグしたとか、っていうような操作を横取りして、自分の好きな処理を書いて返すということも出来る。だからちょうどオブジェクト指向言語でクラスを拡張するのと同じように、このマップの機能を拡張して、クリックされたらそこに何かマークをするみたいなプログラムを書ける、というそういう仕組みになっています。

しおや逆に言うとその二つだけですね。このGUIイベントを拡張するっていうのと、レイヤーを重ねるっていう二種類の処理ですね。これはベクターで図を描いたサンプルですね。このようにですね、地図に合わせて絵を描いているところです。サンプルはですね、なんと187もあって、見きれないくらい多いんですね。だからこれをいろいろ見てるだけでもみなさん楽しめると思います。これはこのカーソルが今見てるところの値っていうのが下に出てきている。だからGoogleの地図なんかをここに貼り付けておいて、このカーソルを動かしながら、あっ、この辺に何かある、とかいうプログラムも書けるわけですね。今、ここの交差点を指してる、緑色のところを指してる、とかっていうそういうデモです、これは。これもさっきのイベントですね。つまりこのマウスカーソルが動きましたっていうイベントをキャッチして、ここにいろいろデータを出して戻す、っていうようなプログラムをするわけです。

たぐちこれ、ひょっとして、たとえばナビとかで座標データを送れる端末をもっていて、該当の座標に近づいたら「その地点ですよ」とかいうことができる?

しおやそれも出来ると言われています。これはですね、デモで見るとあんまり面白くないと思うんですけれど、これは何をやっているかっていうと、地図データでよくありがちなのが、Googleなんかでですね、レストランで検索すると、赤い点がびゃびゃびゃびゃびゃっと表示されて恐ろしいことになるんですけれど、そういう風に地図上のデータって非常に膨大なので、たとえば1500件分のデータがいきなりブラウザに流れ込んでは困るわけですね。なのでその辺をコントロールする機能が確かついていたはず。これがどうしてそのデモになるのか私にもよく分からないんですが、そういうパフォーマンス的な話題っていうのも結構考えられてあるので、ドキュメントを読むときにはそこに着目しても面白いかな、と思います。

しおや頑張ればこういうコンポーネントをひとつひとつ合わせていくと、Wikipediaもちゃんとソースを揃えると同じのが自分で作れるわけですけれど、このOpenStreetMapもほとんどの技術はみんなフリーウェアで構築されていますね。で、今日取り扱ったのはOpenLayersがここにいて、データがベンダリングされて、ベンダリングされたデータをOpenLayersで見る、というところをやっています。次回やりたいなぁと思っているのはこのひとつ前のベンダリングのところですね。

誰が何のために作ったのか?

かわのひとついいですか? 全体としてはかなり複雑なシステムというか。誰が作ったんですかっていうのを、聞きたいような感じがするんですけれども。スポンサーは、財団は財団ですけれど、財団のスポンサーはどこかいるんですか? 企業ですよね?

しおやスポンサーは結構いるんですよ。こんなまったく同じ競合のサービスだと思うんですけれど、GoogleとかYahoo!もお手伝いしてるんですね、面白いことに。(!)

かわのへえ。

しおやなんでそういうことになるのか、今回はテクニカルなほうしか見てないんですけれど、確かスポンサーにはそういうのも名前を並べているんですよ。だからこのOpenStreetMap Foundationですとか、今このOpenLayersを持っているOSGeo財団っていうのも、どこからどういう風にこれでお金を集めているのか私にはよく分からないんですけれど、非常に複雑な構成をしています。というか、複雑な技術コンポーネントをいっぱい抱えてうまく組み合わせています。これを作ったのはSteve Coastさん(http://en.wikipedia.org/wiki/Steve_Coast)っていう人なんですね。これを作ったときにはロンドンにいらっしゃった方で、今はマイクロソフトのBingに移ったといって話題になっているんですが、こんな人。若いです。

かわの若いなぁ。これ、なんかしかし、いろんな面白いことが出来そうな感じはするんですけれど、何が出来るかなぁ。

しおやそうですねぇ……。まぁ今日本で一番注目を浴びてるのは、やっぱり最初に紹介したsinsai.infoですね。海外でもやっぱり一昨年だかのハイチの大震災のときにもやっぱりこれが大活躍した。

かわのすみません、そのsinsai.infoのところで聞きそびれたのかもしれないのですけれど、どんなことが出来るんですか、sinsai.infoでは?

しおや地図は何が面白いかっていうと、どこでどういう情報がっていうのがやっぱり地図ベースなので、非常に見やすいわけです。で、うちのあたりの情報はっていうと、今たとえば福島市あたりではどういういう情報が求められているのかっていうのはレポートが出てくるので、やっぱり地名とかですとどうしても。

かわのレポート。郵便局が再開。あぁそういう情報か! やすだ:えーっ、便利!

しおや便利。これは便利です。

かわのはぁー、なるほど。いろんなトピックを地図に紐づけるわけですね。

しおやそうです。地図がこうインデックスの役割を果たしてくれるわけです。

かわのなるほど、そうか、地図はインデックスなんだ。

たぐち単に何がありますよ、じゃなくて、イベントとして何がありましたよ、とかっていうのも地図に表示すればいいんだ。

しおやまぁWikipediaなんかでもこれを取り入れて、とかいう話も出てましたし、あるいは時系列データを絡めるとまたそれはそれで面白いかもしれないですね。

かわのそのsinsai.infoを作ったのは誰なんですか?

しおやこれはですね、面白いのがですね、先ほど紹介したOpenStreetMap財団がメインなんです。

かわの日本の人たち?

しおや日本の人たちです。

かわのいるんだ。

しおやいるんですね。もうこれがこの通りOpenStreetMap Foundation Japanという風に名前がばんと出てるんですよ。

かわのすごいなぁ。

しおやで、協力する企業もこういう風に結構並んでいる。amazonですとかYahoo!ですとか、露骨に地図データとぶつかりあうようなところも、まぁこれは震災のサイトなので当たり前といえば当たり前なんですけど、みんなで集まってやっています。でも、メインでやっているOpenStreetMap Japan。

かわのそうか、いろんな情報のインデックスになれるから、地図は、あまりその特定のプロプライエタリな、それこそGoogleの地図に紐づけられるよりも、パブリックなところのほうがメリットがあるんだ。

しおやメリットがあるということになります。それとあと、今回みたいにいきなり地図の状況が変わっちゃったりすると、じゃあその地図を誰がどうやって編集するの、っていう話になりまして、そうすると商用地図だとうちの地図なんで勝手に編集したものを公開しないでくださいって風になっちゃうんで。そういうときにやっぱりこう自由のきくサイトっていうのは非常に意味がある。

OpenStreetMapは「みんなで作る地図」

かわのすみません、OpenLayersのことじゃなくて、OpenStreetMapの質問になっちゃうんですけど、自分の周りのなんかちょっと様子が変わったとかで、それを自分で投稿しようっていうのは、道路を描いたりするんですか?

しおやそうです、そうです。

かわの本当に描いちゃうんだ?

しおや描いちゃうんです。だから、私もですね、今回、これの発表のためにアカウントを取ったんですけれど、ここで編集ってポチッてやって、もう編集出来ちゃうんですよ。

かわのWikipediaみたいなものなのか。

しおやWikipediaみたいなものなんです、本当に。だからこのツールが立ち上がって、こういうツールを使って、ここに道路があるよ、とか描けるわけですよ。描いちゃって構わないんですよ。私としては心配なんで、あえてやらなかったんですけれど、本当にやっちゃっていいのか、っていう。

かわのみんなで作る地図なんですね。

しおやまさにそういう地図です。

かわの信じがたいなぁ。こういうのも機能するのか。

しおやまぁしてるっていうことですよね、結局。これもですね、こんな道路は間違ってるとかってこう動かせるわけですよ。

かわのおっ!

しおやね、こうやって、線とかってやっちゃうともうこれで本当にそうなっちゃう。そういう恐ろしい地図。

かわのよくこれで全体的に壊れないなぁ。

しおやよく壊れない、確かに。

たぐち善意で成り立ってるものでしょうね。

しおややっぱり日本なんか、こういうメジャーなとこだと、衛星写真があって、あとはボランティアのみなさんがマッピングしていくだけなんですけれど、もうそうじゃないところなんかだと、GPSを投稿出来るようになっているんですね。

かわのGPSの投稿。あぁそうか自分で歩いたルートのあるところを投稿すれば、そこに道があるはずだ、という。

しおやそうそう。

かわの頭いいなぁ。

しおやもう逆にね、個人でGPSとかどんどん持って、一人でいくつも持ってますみたいな人が当たり前になったんで、こういうサービスが出来るようになったっていう、そういう背景もあるのかな、と思います。

かわのこれは結構もう趣味になりそうですね。地図作りの。

しおやだから自分だけで楽しんでも構わないわけですね。

かわのたとえば自分のレイヤーを作って、自分がどこを動き回ったかとかっていうのも?

しおや描ける。まさにそのためのツールみたいなのもあるそうです。日記とかね。

かわのユーザーの日記! 地図の中でどこを歩き回ったかみたいな日記。あぁ面白いなぁ。

しおやいろいろ出来る、コミュニケーションの場にもなっている。

かわのそれは公開は出来るわけですか?

しおや出来るみたいです。

かわのじゃあ私はここにいる、みたいな。

しおやそうです、そうです。

たぐちたとえば、普通は地図にはならない山の中の林道とか裏庭の道とか、そういうところをスマートフォンとか持って歩いてあげれば。

しおやだんだん僕がここを歩いたことで、ここにも地図が出来た、っていうそういう楽しいボランティアも。

かわの今あるfoursquare、お店ここだとかいうのは、要するに点ですよね。ある時点である場所にいたっていうのまでは出来るけど、これ使えばもう時系列でずっと線で描けるんだ、それを。

しおやだから、ああいうサービスを立ち上げるときにも、こういう基盤があるっていうのは非常にありがたい。

かわの面白いですね。

しおやGoogleとかYahoo!が立ち上げるときに、いや、それはうちのサービスの邪魔になるからやめてくれない、とかって言われるとかそういう心配しなくてよくて。

かわのなるほど。なんかいろいろ可能性がありそうだなぁ。

しおやそうですね、あとは、まぁあんまりそういうのやる人はいないかもしれないですけど、地図って基本的には実在する地図しか世間ではサービスされていないんで、架空の地図とか作っても面白いかもしれないですね。

かわのたとえば江戸時代の地図とか作って。

しおやあぁ、時系列が乗ってもいいですね。今回ちょっとだけ面白いなぁと思ったのはOpenLayersのデフォルトっていうか、Googleの世界地図っていうのは、この最初に出てくるこの地図っていうのはちょうど256ドット×256ドットで、そういうサイズの地図なんですね。だから、まぁ自分でいろいろ絵が描ける人っていうのは、こういう地図を作るときにもOpenLayersを組み合わせてマッピングしてみるっていうのは、それはそれで面白いと思います。どう考えてもYahoo! map APIでドラクエのマップとか入れませんので、そういうのやりたいっていう人はまぁ自分で頑張るぞ、と。で、そういうときにはOSGeo財団がいて、こういうシステムを組んでですね、自分で作った地図も描けますよ、と。

かわのなんか都市計画とかやるときに、まぁそれも地図描くだけか、これで描いて共有をするとかしたら。

しおやこれで描いた地図をウェブでAPIで公開するための仕様っていうのは、やっぱりこの業界って、地図情報システムってやっぱり他のシステムと連携してナンボ、っていうところがあるので、標準仕様っていうのは昔からものすごく発達しているんですよ。だから、最初これ、GISっていう話がなんで出てきたかっていうと、この辺の資料読んでると三文字の単語がやたら出てくる。GISだとかWMSだとかWなんとかかんとかっていうのがいっぱい出てくるんですけれど、結局それは全部標準化されていて、地図システム同士が喋る用語っていうのは完全に標準仕様が決まっている状態に近いんですよ。でも地図データだけはデータ作るのってものすごく大変なんで、政府とか民間企業が握ってる、とそういう状態なんですね。それをOpenStreetMapが変えつつある。

かわの僕、思いついたのが、今リビアとかで内戦やってたりするじゃないですか。そうすると陣取り合戦みたいになってて、先週まではここが国境線だったのが、今週は攻め込んでこっちまでになった、とか。あれを自分でOpenStreetMapにここまでが俺の領土だとか、それは違うと敵方が描いたりして。要するにダイナミックに変化するものをリアルタイムに追っかけるとかいうのは、普通のツールだと完全に無理だと思うんですけど、これだとそれが出来るわけですね?

しおや出来るわけですね。

かわの普通は、あんまり日本みたいに安定してるとダイナミックに地図変わらないと思うんですけど、それこそ戦争のときとかは結構ダイナミックに変わると思うので。

しおやこれに時系列を組み合わせるとどういうデータの持ち方するんでしょうね、っていうのは。 やすだ:出来るんですか?

しおやいや、出来るのかな、と思って。たとえば最初に出したPostgresGISなんかはあくまでも……。単純に地図データを持たせると、じゃあまず最初に緯度と経度はどうやって扱うのとか、球体はどうやって扱うのとかっていう話になって、じゃあそれが時系列でどう変化したのっていうのはその次の課題になると思うんで、どうやって扱うんでしょうね。まぁ今ちょっといろいろと話題としてはネタも尽きないジャンルかな、とは思います。今日は本当にあくまでもそのコントロールをするところの部品のお話、ということになります。

地図ビジネスと OpenLayers

かわのどなたか質問等。ゆきなさんは何か?素朴な質問も歓迎します。

ゆきな素朴な質問というか、今こういったサービスがありますけれども、これが浸透していくのと、GoogleとかYahoo!とかが発展していく速度っていうのを考えたときに、浸透していく速度よりその個別のものが発展していく速度のほうが速くて、結局これを使わなくても、ある程度はまぁGoogle、Yahoo!くらいだったらみんな知っているので、結局そこに行き着いてしまうから、レイヤーで集める必要があまりなかったりするのかな、っていうことを考えたんですね。なので、ここは確かに面白いサービスなんですけれども、これを発展させて成長させて世に広めていくという段階ではちょっと遅いかもしれないな、というのをこれを聞いていて思いました。

しおやどうなんでしょう。たとえば、まぁ同じメタファーでいうとWikipediaとブリタニカ大百科事典はどっちが勝つのかなぁというのが。今、どっちかっていうとWikipediaが優勢ですけれど、地図は地図でまた別の話なんで、やっぱり信頼性のある、使いやすいGoogle mapがいいとかYahoo! mapがいいとかっていうのはまずある、当然あると思います。あとこれで面白いのは、たとえばですね、一般向けの地図サービスだと当然一般向けの地図なので、普通の人が使う地図じゃないと困るわけですよ。ちゃんと地形が載ってて、道路が載ってて、駅とか有名なランドマークが載ってて、ってそういう地図でないと困るんですけれど、たとえばどこかの気象庁が出すような地図データですとか、NASAが出すような地図データですとか、そういう特別な目的に特化した地図っていうのを組み合わせるときには非常に有意義なのかな、と。

ゆきなあとは、その個人向けていろいろ自分の地図を作るというところで、ユーザーはすごく喜ぶとは思うんですけれども、ただ主目的というか、この主目的はそこではないような気がしたんですよね。一番最初の目的はみんなの地図をまとめましょう、というところにあったはずなんですけれども、売り方として、もし売っていくのなら、逆というか。もっと個人に対して、個別のものが作れますよ、っていう形で売り出していくしか……そこまで需要があるのかが分からなかったです。たぶんみなさん使いこなしていますし、このような震災が起こったからには、やっぱりそこにみなさん注目するので、地図サービスも成長していきますし、さらに子どもからお年寄りの方まで全員、もう地図サービスっていうものが大事なんだっていうこと、緊急避難マップみたいなものもちゃんと必要なんだっていう認識が高まっているので、これを発展させて売り出したら、ちょっと今からだとスタートが遅いような気がするんですよね。

しおやまぁ彼らの財団の目的でいうと、売り出すのではなくて、売られる立場になると自由がきかないので、自由を我らに、というそっちのほうがテーマ的にあるらしいです。でもそんなこと言っても、お金が入らないとこれだって回せないですから、それだけでは済まないとは思うんですけれど。

かわの僕、ちょっと思ったのは、うちに小学生の子どもがいて、小学生って一年生から六年生の間に社会科でご近所を探検したりするんですけど、学年ごとにどんどんエリアが広がっていくんですよ。何年生でどのエリアまでという正確な対応は忘れましたけど、最初はご近所、自分の校区から始まって、次に市になって、県になって、国になって、六年生で世界になっていくんですけど、だからまず自分の町の地図を描こう、みたいな、二年か三年でやってるんだけど、それにこういうの、要するにローカルで自分たちだけだけど、自分だけじゃないっていうか、自分のクラスが加わるとだれだれくんの家みたいなのもひょこひょこ描けるようになったりして、みんなでシェアすると結構面白いのかなぁ、と。

ゆきなそうですねぇ。

しおやそのノリで、このOpenStreetMapの地図自体が恐ろしいことになったりして……。 やすだ:でも実際、中小企業がなんかイベントごとを起こすにはすぐ出来ると思うので。前みたいな駅伝でも、走るっていったイベントを目的として、自分のチームはこんな感じで走ったんだけど、お前のところ、どうよ、みたいな感じで共有しあうと、またそれはそれでコミュニティーが出来ると思いますし、mixiとかTwitterとかでも共有するとまたそれは面白いコンテンツになると思うんですけれども。活かし方は結構たくさんあると思いますよね。

しおや話は少し混ざるんですけれど、一応OpenLayersを作ってる団体とOpenStreetMapを作っている団体っていうのは違うんですね。だから、後からOpenLayersがOpenStreetMapに合流した形になってるんですけれども、そもそもOpenStreetMapはOpenStreetMapでやってるときに、OpenLayersの人たちがこういうのが必要だよねって言ってこれを立ち上げたんですね。で、これのシステムの、彼らが何を狙ってるかっていうと、要するに地図データソースを立ち上げているベンダーはいっぱいあるよ、と。そうすると、それを自由に選択する、自由な市場が出来るっていうのを作れるようにしようっていうのが、このOpenLayersの目的の一つなんですね。やっぱりBingのマップが一番便利だから、ここを使うってなっちゃうと、もうどうしてもここの世界が閉じちゃう。で、Bingの手のひらの上で踊ってるみたいな状況になるわけですけれど、みんなでこれに対抗すれば、今はBingだけどGoogle mapのほうが最近性能がいいし、とかっていうように、こういう競争が働くようになるんですね。で、それを統合する、あくまでも市場としてのインフラを作りたい、っていうのが目標の一つになるんですよね。一番最後にちょこっとだけ言いましたけれど、なんで彼らは普通のBSDじゃなくてClear BSDっていうのをわざわざ、このライセンスはMetaCartaが作ったんですね、作ったかっていうと、そういう地図情報を持っている企業の人にどんどん参加してください、と。オープンソースみたいに、ひげのおっちゃんが作ったようなライセンスじゃなくて、地図情報について熟知した企業がちゃんと法的にデザインしたライセンスですよというのを作ってですね、それでどんどんみなさんオープンレイヤー市場に参加しましょう、っていうのがこれの目的の一つなんですね。

かわのなるほど。あぁそういうことか。

しおやそれと、まぁ今日のOpen Streetをやっている人たちとはまた別のムーブメントなんですよ。だからやっぱりその辺はいろいろ考え方とかあって、ちょっとしたサービスを簡単にやると、確かにこれ出来るとたいていのことって、結構Google mapとかYahoo! mapとかで出来ちゃうんですね。さっき今日もちょっとお見せしましたけど、Yahoo!だって当然、日本の地図はYahoo!が握れないと困るわけですから、こうやってAPIとかいろいろ用意してるんですよ。だからこれを使えば、ある程度のことは出来るんですね。でも、それでもなんでOpenLayersが出てくるかっていうと、そういうYahoo!だけで縛られるのはよろしくない、と。もっと自由に競争が成立する社会を目指そう、というのがOpenLayersの目的の一つですね。

国土地理院の地図をここで使ってみたい

うえむら国土地理院の地図をOpenLayersで使えるということは?

しおや使えると便利なんですけどね。えっとですね、OpenLayersはドキュメントは結構いろいろ揃ってるんですけど……。

うえむら山の、山道の地図とかあると、だいたいGoogle mapとかって出てないんで、道が。国土地理院の地図を。

かわの国土地理院の地図って誰が持ってるんですか?

しおや国土地理院です。

かさい国土地理院じゃないですか。国土地理院のサイトがあって、そこでなんかしちめんどくさい条件に承諾して、どうのこうのいって。

かわのパブリックなわけじゃないんですか?

ながえたぶんお金払いますよ。

かさいパブリックな部分もあるけれども、ちゃんとしたのを手に入れようとしたら、なんか。

かわのそれだって、国土地理院の地図って税金で作ってるんだから、国民に公開すべきなんじゃないですか。

しおやなんかその辺、国によって結構いろいろで、アメリカはパブリックライセンスらしいんですけど、で、フリーなんですけど、それはあくまでも例外的で、だいたいは国が何か握ってる。で、OpenLayersのこのレイヤーってところが、これに対抗したレイヤーなんですけれど、まぁこういう風にGoogleのレイヤーとか、ちょっと日本のマルチマップっていうとなんかどっかの地図ベンダーらしいんですね。あと、ArcGISっていうのは日本でも地図の情報屋さんでメジャーなんだそうです。ここにいくつか名前が並んでいるんですけど、残念ながらここには日本の地図ベンダーの名前っていうのは出てないですね。

たぐちゼンリンとかもいないんですね。

ながえゼンリンはだってGoogleとかYahoo!にもう売っちゃってるので。

かわのあぁ、そうか。売っちゃってますもんね。

しおやでも確かにこれは出てないっていうのは、あくまでもレイヤーに対応してないっていうだけなんで、自分で頑張って描くとか、プロキシサーバーみたいなのを書いちゃって、元の情報は地理情報から持ってきて、ここに渡すとか、個人的に使う分には、まぁいろいろ手はある。

かわのじゃああの、地図のソーシャルネットワークみたいなのを作ってやって、要するに、今はほら、地図とかはこういう手で描いたりとか、Google mapをキャプチャしてとか、添付して送ったりしてるけど、あれがその地図送ったからちょっとレイヤーオンにしてとかいう感じで、ちょこっとやるとその人も地図がぱっと見られたりとかっていう。流通度が上がれば、面白いことになるかもしれませんね。

しおやなってくると思います。だからもっとこういろいろなベンダーが並んでほしいんですけれども。国土地理院の地図はあれ、便利だから使ってみたいですよね。

うえむら確かに。

しおや直接はだからつながってないんですけれども、こことGoogle mapとかYahoo! mapとかはつながっているんですけれど、まぁ国土地理院なんかは残念ながらつながってないんですけれども。でもデータがあるんだったら、たとえばデータをもらって、ベンダリングして、オープンレイヤーに渡すとか、オープンソースの技術を組み合わせて、迂回するルートっていうのはいくらでも作れるはずなんで、もちろん著作権の絡みとか、ライセンスの絡みとかありますけどね。そういう工夫が自分で出来るというのは、苦労をいとわない人にとっては、楽しいんじゃないですかね。

かわのそれこそハイキングルートとか登山のルートみたいに、道なきところでルートを共有するようなときって、手書きじゃなくて、こういう地図上で簡単にiPhoneで(基地局あるかどうか知らないけど)その地図を共有して、あぁここ通るのか、みたいな。出来るかもしれないですね。

しおやあとはやっぱりアイディアですよね。普通のぱっと出来ることっていうのは、結構いろいろともう普通の商用サービスで出来ちゃうし、だいたいの場合、そのほうが楽なんで、じゃあこんな何に使うかよく分からないような、よそからあちこちから地図を組み合わせて、何をするのって言われると非常に悩ましいですね。

かわのやっぱりゆきなさんのさっきした質問の答えなのかもしれないけど、すでに大勢の人が何をするか分かっているものに対しては、商用プロバイダーがすぐにでも作っちゃうけど、まだ何をするかよく分からないとか、あんまりそれを使う人がいないとか、要するにいつまで待っても百年待ってもGoogleが作ってくれないようなファンクションだったら、自分で作る意味があるし、面白いのが出来るかもしれないですね。

ゆきなそうですね。だから個人向けな感じで、先ほどの駅伝だとか小学校だとか今の女の子たちのカフェ巡りとか、そういう何というか自分の一つのアルバムみたいな形で、地図を残すっていうことを、写真と一緒に残すとか、そういったアルバム作り的な要素とかも含んでくると、一般的にも違う意味で面白いアプリケーションとかが出来るのかな、という感じはするんですけれども。このOpenLayersは今もうすでにあるものとしてご紹介されているんですけれども、すでにあるものというのはもちろんその先が、目標というか、目掛けるものとか、描いてるビジョンとかがないといけないじゃないですか。何を目標と今はしているんですかね、この会社とか、これを作った方々は。

しおや次は何を考えてるんでしょうね。まぁ一応、事の発端っていうのは、さっき話した通り、あっちこっちのデータソースを選択する自由、もしくは自分たちでデータソースを提供する自由っていうのを確保する、っていうのは目的の一つにあったと思うんですけれど、じゃあ今のOpenLayersで何が出来なくて、次は何が必要かって言われると、うーん、すみません、そこまでちょっと資料は読み込んでないです。彼らのブログとか漁っていくと、その辺もいろいろとたぶん出てるとは思うんですけれど。

いけまぁオープンソースなんで目的なんかないんです。出来ることに意義があって。

しおやそうですね、出来ることがまず。

いけこんなことが出来るんだぞ、っていうのが自慢出来るのが面白いところで。それをどう使うのかっていうのは二の次で。

しおやだから理念とか目標とか、今いろいろ言ったような高尚な目的っていうのは、彼らは確かに掲げてるんですよ、このOpenLayersのサイトのところにも。あぁ偉いなぁと思ったんですけれど、今回一番幻滅だったのは、この開発の歴史の最初を見たときにGoogle mapのAPIにインスパイアされましたって書いてあって。やっぱり出発点はそういうところ。彼らがやってるんだったら自分たちでもやってみたい、っていう、やっぱりそういう楽しいっていうのは、出発点としては大事なのかなと思います。

たぐちでもそこで、もう一つのGoogle mapを作るんじゃなくて、別なレイヤーっていうので作ったから偉い。

しおやそうですね、そこは面白いですよね。 (中略)

かさいAPIですか? 誰か訳してるのは。

しおやAPIですね。

かさい誰がそんなの訳したんですか?

しおや個人。やっぱり地図って好きな人は好きなんで。

いけそっか、地図マニアっていっぱいいますからね。

みやこれ本当は、古い地図と重ねてね、今いる場所が昔こういうのっていうのをみんなで作ったら面白いでしょうねぇ。

しおやこういう風にMapサーバー実習メモっていう感じでですね、ここでもうある程度メインのクラスは翻訳されてるんです。

かわのすごいなぁ。ボランティアで?

しおやボランティアだと思います。

かわのこれしかしなんか、地図マニアにはたまらないおもちゃじゃないですか。

しおやおもちゃだと思います。

たぐち地図は見るものだったのが作れるわけですからね。

しおや地図はOpenLayersは本当にごく一部で、地図関係のプロジェクトってまだうんざりするほどあって、みなさんお好きな方にはたまりません、というのはあると思います。

ゆきな山道とかになると平坦じゃないというか、このボール形だけあっても道を描いても描けないですよね。今3Dとかが出てきて、地図も3D化する可能性があるじゃないですか。そのときに、これがもう発展をずばっと遂げていて、ここでこういうものがあります、っていう風にしていくと、すごく沸き上がるんじゃないかな、っていう風な感じがしますね。

しおや確かに3Dっていうのは、ぜひやってほしい発展方法ですよね。

ゆきなですよね、ぜひ。

かわの今日はこれで終わりとしたいと思います。どうも、しおやさん、ありがとうございました。

(以上、インフォサイエンスにて)